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ペット通信

わがまま犬の矯正法

その1:食事の与え方について

花園動物病院 犬

すでにわがまま犬になっている場合、いくら鳴いても吠えてもワンちゃんに、ご家族の方より先または同時に食事を与えないでください。家族全員が食事、食後のデザートなどをすべて済ませた後に与えましょう。1・2日では理解しないワンちゃんもいるかもしれませんが、理解させるのに10日以上も要する頑固なワンちゃんはいません。

犬は非常に頭がいいので、吠えても与えられないことがわかれば、おとなしくなります。ほとんどのワンちゃんは人の会話の内容(自分のことが家族の間で褒められているか、困った存在になっているのか)をおおよそ理解しています。しかし、わがまま犬は自分がNo.1になっているため、家族の気持ちなどに全く配慮しません。折角ご自身とご家族の生活の質を癒しの面で向上させるために家族の一員として迎え入れたワンちゃんを、わがまま犬に変貌させないようにしましょう。

その2:散歩のさせ方について

散歩中と外に出る時にワンちゃんと飼い主さんとの順序に気をつけましょう。ドアを開けた時にワンちゃんを先に出してはいけません。散歩をさせる飼い主さんが先に外に出てから、ワンちゃんを外に出します。そして散歩中は飼い主さんよりも後ろを歩かせましょう。犬は群れをつくる習性があります。犬が先に外に出て、散歩中に群れの先頭を歩くことはNo.1のボスの行動ですから、自分がその家庭でNo.1のボスであると錯覚します。リードを利用してワンちゃんを飼い主さんより後に出して、後に歩かせるようにしましょう。

その3:その他の対応について

飼い主さんが知らないうちにワンちゃんが家庭の中でNo.1のボスであると錯覚する行動について述べます。犬は群れをつくって生活する習性があって、ワンちゃんを迎えいれた家族の皆さんはワンちゃんにとって群れの同じ仲間となります。犬の群れの中でNo.1のボスは仲間より先に食事を摂り、先頭に出て、先頭を歩くことに加えて、仲間より高い場所を好むので、犬は常に一番低いところに留めておきましょう。仲間に配慮することに関して犬は本来極めて有能ですが、No.1のボスになってしまうと、その能力を全く発揮することなくわがまま勝手に行動します。

ワンちゃんを床より上に登らせてはいけません。人より高い位置、例えばテーブル、イスやソファに乗せたり、ましてや人がイスやソファに座っている時に登ってきたワンちゃんに席を譲ったり、肩にワンちゃんを登らせたりしてはいけません。人の肩の上までワンちゃんを抱き上げたまま歩くことや、ベッドで一緒に寝ることは避けた方が良いでしょう。これらの行為を許すと犬はNo.1のボスであると錯覚します。関連することとして、ワンちゃんが前脚を人の体の一部に乗せることはNo.1のボスが下位の仲間にものごとを要求する行為なので、この行為を許してはいけません。例えば、ソファに座っているご主人の大腿部にワンちゃんが前脚を乗せた場合、ここは自分の場所であるからどきなさいという命令です。

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