ワンちゃん・ネコちゃんの口臭が気になるようでしたら、歯周炎、口内炎の可能性があります。獣医師の診察を受けましょう。
ワンちゃん・ネコちゃんともに、加齢に伴って歯石が形成されることにより発症します。歯石の形成速度はワンちゃん・ネコちゃんのそれぞれの体質によって変わりますが、1年から5年程度で重度に形成されます。
歯周炎の初期は口臭が発生する程度ですが、炎症が進行して歯根部・顎骨を破壊すると顔面の皮膚が破れて出血が認められ、また大量の炎症性膿が多臓器不全を招きます。口臭が強くて、顔面からの出血が認められる場合は重症の歯周炎の可能性が高いと言えます。また、口腔から排膿が認められる場合も重症ですので、治療が必要です。
歯石が重度に形成されている症例の多くは高齢のワンちゃん・ネコちゃんです。高齢のワンちゃん・ネコちゃんでは歯石の重度形成以外に、心臓の僧帽弁閉鎖不全症などの疾患をすでに患っていることが多く、このような重大な疾患を持つ症例は全身麻酔を伴う歯石除去手術に耐えられません。
重症の歯周炎になる前の出来るだけ早い時期に獣医師の診察を受けましょう。子犬の時から飼い主さんが指にガーゼを巻いて水で歯磨きをするだけで、歯石の形成が大幅に抑制されて歯周炎の予防になります。
ワンちゃんでは稀な病気です。しかし、ネコちゃんでは最も発症頻度が高く慢性化しやすい病気です。各種の感染症などが口内炎を引き起こす原因として考えられていますが、口内炎自体は自然治癒しません。
口内炎の初期は口臭が気になるだけですが、炎症の進行により、よだれ、咀嚼困難、そして食欲廃絶となります。しかし、治療をすれば口内炎は早急に治癒します。
よだれを食事時以外に流す場合や、食事の(特に硬いドライフードを食べる)際に口内を痛がる場合ばかりでなく、突然全くものを食べなくなった場合も、口内炎の可能性があります。