9月から3月まではワンちゃん・ネコちゃんの水分摂取量が減少するため、膀胱炎が発症し易くなります。
ワンちゃん・ネコちゃんは汗をかかない上に、毛皮に覆われているため、一般的に夏は暑熱によるストレスを、特にワンちゃんはネコちゃんよりも強く受けます。さらに、春から秋にかけて、カ、ノミ、ダニなどの疾病を媒介する節足動物や外部寄生虫の活動が活発になるため、春から秋までは種々の疾病に曝されています。
しかし、秋から春(9月から3月)は環境から受ける物理的・生物的なストレスが減って、ワンちゃん・ネコちゃんにとって一般的に疾病の少ない時期です。しかし、膀胱炎は例外です。水分の摂取量が減る秋から春は、特に、急に涼しい日が続き飲水量が急激に減少する秋口には、膀胱炎が発症し易くなります。さらに、膀胱炎と診断されたワンちゃん・ネコちゃんはこの時期に悪化し、慢性化する傾向があります。排便は平常通りであるにもかかわらず頻繁にトイレに行くようであれば、膀胱炎を発症している可能性があります。ワンちゃん・ネコちゃんの膀胱炎の主要な原因として、膀胱内での細かい結晶(ストルバイト)の形成が挙げられます。この結晶の形成は基本的に体質によるものです。また環境からの社会的ストレス、例えば、複数飼育されている場合は仲間のワンちゃん・ネコちゃんから受けるストレスや、飼い主さんからのストレスなどがこの結晶の形成を増悪化させることがあります。
特に雄のワンちゃん・ネコちゃんは尿道が細いので、細かい結晶で閉塞しやすいという性質があります。頻繁にトイレに行くような行動が認められたら、出来るだけ早急に獣医師の診察を受けましょう。尿道の閉塞により膀胱内の尿が腎臓に逆流すると命に係わります。